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活動実績

「AI戦略会議・AI制度研究会中間とりまとめ(案)」に対して意見を提出しました

AIガバナンス協会は、2025年1月23日、「AI戦略会議・AI制度研究会中間とりまとめ(案)」に関するパブリックコメント募集において、意見を提出しました。

【提出意見】
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【提出意見の概要】
AIガバナンス協会(AIGA)は、AI活用におけるイノベーション促進とリスク対応の両立や、その推進における国際協調の重要性を認識しており、今回の「AI戦略会議・AI制度研究会中間取りまとめ(案)」(以下、「本とりまとめ案」)の発表を歓迎し、法令とガイドライン等のソフトローを適切に組み合わせ、事業者の自主性を尊重しつつガバナンスを図るという大枠の方向性に賛同いたします。その上で、今後の法制度の設計やその運用等を見据えた際に留意すべき事項を中心に、本意見を提出します。特に重要となる点は以下の3点です。

まず、既存の国際的な枠組みや各法領域で行われている議論との整合性の確保です。国際的な観点では、たとえば広島AIプロセス国際行動規範の「報告枠組み」の活用等が検討される必要があります。また、AIを活用する事業者は既存法との関係でも透明性や適正性等に関する義務を負うため、活用シーンに応じ、既存法のアップデートによって対応すべき問題はそのように整理することが求められます。

2点目に、バリューチェーン上での連携の促進です。AIの開発者・提供者・利用者の間にはそれぞれ情報の非対称性が存在するため、各主体が連動して透明性と適正性の確保を徹底していくことが重要であり、法制度や関連する制度の運用にあたっても、そうした視点が強調されることが望ましいと考えます。

3点目は、官民の取組の連携です。AI制度の在り方については、その影響の幅広さや国際的な政策アジェンダとしての重要性を踏まえると、現状以上に透明性のある議論プロセスを構築することが求められます。具体的には、AI制度研究会を含むAI施策に関する会議の日程・議事等の透明性の向上や、官民での継続的な意見交換の機会の設定を検討すべきであると考えます。また、事業者の自主的な取組を基調としてリスク対応を図っていく方針においては、具体的な規範への準拠状況を把握することが重要です。その際には、たとえばAIGAで運用中のAIガバナンス実装状況の自己診断ツール「AIガバナンスナビ」等の診断結果も踏まえ、産業における課題の把握や、必要に応じた規範の側の見直し等を進めていくことが望ましいと考えます。

以上のような点も踏まえ、健全なAI活用のための政策が一層推進されていくことを強く期待するとともに、AIGAとしても政府の取組に積極的に協力していきたいと考えます。

【関連ページ】
e-Gov AI戦略会議・AI制度研究会中間とりまとめ(案)に関する御意見の募集について

AIガバナンス協会事務局
佐久間 弘明 (事務局長) 
堀田 みと (事務局次長)