一般社団法人AIガバナンス協会(AIGA)は、2024年12月3日、個人情報保護委員会事務局からのヒアリング依頼を受け、個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しの検討の充実に向けた事務局ヒアリングに参加しました。
本ヒアリングは、2024年10月16日の第304回個人情報保護委員会において決定された個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しの検討の充実に向けた視点(PDFが開きます)に関する有識者・ステークホルダーの意見を聴取・整理するための位置付けのものです。
AIGAにおいては、これまでに個人情報保護法に関する勉強会の開催やその後の内部でのディスカッション、「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る 検討の中間整理」に対するパブリックコメントの提出を通じ、具体的なユースケースをもつ企業実務に根差した個人情報保護観点での課題の洗い出しを進めてきました。以下の通りAIGA意見の全文とその要旨を公開します。
【ヒアリング概要】
日時:2024年12月3日(火)13:00-15:00
場所:個人情報保護委員会(霞が関コモンゲート西館)
AIGA出席者:羽深宏樹代表理事、佐久間弘明業務執行理事
事務局ヒアリングの議事概要が掲載されたwebページ: 個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しの検討の充実に向けた事務局ヒアリング
事務局ヒアリング結果報告資料が掲載されたwebページ:第310回個人情報保護委員会
【提出意見】
提出した意見(全体)はこちら
【提出意見の概要】
まず、基本的な考え方として、AI活用・イノベーションと個人の権利利益の保護の両立のためには、具体的な活用シーンの理解に立脚したベネフィットとリスクの評価に向けた議論が必要であることを示しています。
その上で、AIGAにおける具体的なユースケースを想定した議論も踏まえつつ、個人データをめぐる制度検討における重要な原則として以下の3点を挙げました。
- リスクベースアプローチ: 具体的な活用シーン(AIライフサイクル上の段階の区別も含む)や技術的な背景を精査した上での規律の検討が必要
- 技術中立性: 萎縮やイノベーション阻害の観点から、AIという技術を採用していることのみを外形的に捉えて規制の根拠とすべきではない
- マルチステークホルダーでの議論: 変化の激しい技術・実務動向を踏まえるため、規律の価値実現に協力すべき多様なステークホルダーが議論に関与することが不可欠
「個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しの検討の充実に向けた視点」に対しては、AI活用を進める会員企業から寄せられた問題関心に基づき、本人同意を基調とする規律の見直しの方向性全般、要配慮個人情報等を含むデータをAIモデル等の学習に用いる場合の本人同意の扱い、第三者提供の実務にかかる論点などについて意見を取りまとめ提出しました。
【関連ページ】
個人情報保護委員会「個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しの検討の充実に向けた事務局ヒアリング」
【政策提言WG】個人情報保護法に関する勉強会を開催しました
【政策提言WG】「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る 検討の中間整理」に対して意見を提出しました