AIガバナンス協会は2024年6月11日、認証・標準WGによる認証制度へのニーズや今後の検討課題の洗い出しなどの成果を取りまとめ、「AIガバナンス認証制度に関するディスカッションペーパー ver 1.0」を公表しました。これは、あり得るAIガバナンス認証制度の枠組みについて試案を提示することで、政府やAI Safety Institute(AISI)等も含めた関係者の議論へと貢献することを目指すものです。
【提言資料】
公表した提言資料の全体版はこちら
【ディスカッションペーパーの概要】
自由民主党の「AIホワイトペーパー2024」、行政府のAI戦略会議等における議論、AIGA設立前から産業界で唱えられていた、企業が適切なAIガバナンスを構築している企業を可視化する仕組み(「AIガバナンス認証制度枠組み」)へのニーズを踏まえ、あり得るAIガバナンス認証制度の枠組みについて試案を提示するものです。
認証・標準WGが取り組んできた、AI監査に関する過去の議論の蓄積や法令・標準の最新の状況の調査や、認証制度へのニーズや今後の検討課題の洗い出しを目的とした会員企業へのアンケート調査やインタビュー調査に基づき、民間の自主規制的な仕組みに公的関与を確保する共同規制的な枠組みを提案するとともに、今後の制度実現に向けた主要論点を提示しています。
本DPで示した枠組みの試案、今後の検討論点を足掛かりとして、今後様々なステイクホルダーを交えた社会的な議論がより具体的に深化していくことを願っています。
目次
1. 検討背景・趣旨
2. AIガバナンスの認証・標準をめぐる国内外の動向
2.1 AIガバナンスをめぐり進む法令や標準の検討
2.2 特に注視すべき法制度や標準の概要
3. AIガバナンス認証制度へのニーズ
3.1 AIガバナンスへの取組に関する課題認識
3.2 課題解決手段としてのAIガバナンス認証制度
3.3 AIガバナンス認証の付与単位に関する要望
4. AIガバナンス認証制度の枠組みの試案
4.1 政府・AISIと民間団体等が協力して構築する認証制度
4.2 AIガバナンス認証制度の実現に向けた主要論点
5. 今後の課題
AIガバナンス協会について
【ディスカッションペーパー策定の経緯】
協会設立前: AIGA会員を含む23企業が「AIガバナンス認証制度枠組み」への賛同を表明
2024年3月18日〜4月1日: 「AIガバナンス認証」に関する会員アンケート調査実施
3月25日: 「AIガバナンス認証」に関する会員アンケート会員説明会
5月7日〜5月22日: 「AIガバナンス認証」に関する会員インタビュー調査実施
5月28日: ディスカッションペーパー会員検討会実施
6月11日: 公表
【文責】
認証・標準ワーキンググループ
AI関連の標準への対応や、産業界からのニーズの高い「AIガバナンス認証制度」の枠組みについて、有識者の知見も交えて検討・提言を進めます。
WGヘッド
・長谷友春(有限責任監査法人トーマツ)
WGメンバー(氏名五十音順)
・恩田さくら(一般財団法人日本情報経済社会推進協会)
・上村信二(有限責任監査法人トーマツ)
・指田朝久(東京海上ディーアール株式会社)
・佐藤亮(有限責任監査法人トーマツ)
AIGA事務局
・佐久間弘明(Robust Intelligence, Inc.)
・堀田みと(Robust Intelligence, Inc.)
【インタビュー協力企業(五十音順)】
・株式会社NTTデータグループ
・株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ
・SOMPOホールディングス株式会社
・東日本旅客鉄道株式会社
・楽天グループ株式会社
※本DP執筆にあたっては、AIGA会員全体向けのアンケート調査、および上記会員企業へのインタビュー調査を実施しています。