2024年9月10日(水)、第1回 AIガバナンスナビ検討委員会を開催しました。
AIガバナンス協会(AIGA)は、企業による自主的な取り組みを基盤にAIガバナンスの社会実装を推進するため、さまざまな活動を行ってきました。その一環として、AIガバナンス実装のロードマップを示す「AIガバナンスナビ」の作成を進めています。
今回の検討委員会では、事務局の作成したAIガバナンスナビの素案をもとに、検討委員会メンバー、参加者のAIGA会員を交えた意見交換が行われました。
AIガバナンスナビ素案の概要
AIガバナンスナビは、企業のAIガバナンス実装において必要な取組事項を取りまとめ、各企業が進捗状況を自己診断できるようにするツールです。
AIGAではこのAIガバナンスナビについて、これまでの活動で聞かれた各企業の課題意識をもとに、以下3つのねらいのもと作成を進めています。
- 実践のスタンダード作り: 「AIガバナンス行動目標」の実装を進めるための具体的なアクションの雛形として機能させること
- 活動のペースメーカー: 会員自己診断の結果をもとに諸産業での課題を特定し、それに基づいてAIGAの活動内容自体をチューンしていくこと
- 政策・標準との接続: 「AI事業者ガイドライン」等の政策・標準と相互運用性を確保し、その実装状況を確認するツールとしても活用可能とすること
素案は、社内ルール・管理プロセスと組織体制、AIの出力の誤りやバイアスなどの個別リスクへの対応、テクノロジーの活用による自動的なリスク検証など主要な観点を織り込み、全体で35項目から構成されています。
また、AIガバナンスナビの効果的な運用に向けて、各項目の取組状況を4段階でスコア計算し、その平均値から、領域別の強み・弱みも含めて自社のAIガバナンスの進捗度を把握・評価できるようにする方向性が共有されました。
ディスカッション
WGを横断して集まった検討委員会メンバーによるディスカッションを行った後、参加者を交えたQ&Aセッションが実施されました。
検討委員会および参加者の皆様から、AIガバナンスナビの各項目の内容や運用方法に対してそれぞれの見地からご意見をいただきました。今回のディスカッションを通じて、AIガバナンスナビをより実務に役立つものとするため、主に以下の論点について継続的に検討を行うこととしました。
- 各項目の間の関係の整理や、AIガバナンスの「発展モデル」の検討
- 外部のガイドラインや標準との対応関係の明確化
- サプライチェーンの複雑性や各企業組織の複雑性への対応
開催概要
1. 日時
2024年9月10日(火)10:00~11:30
2. 場所
オンライン開催
3. 出席者
AIガバナンスナビ検討委員会(五十音順、敬称略)
梅田康吉(株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ、行動目標WG)
孝忠大輔(日本電気株式会社、AIガバナンス実装WG)
財津健次(楽天グループ株式会社、政策提言WG)
佐久間弘明(AIGA事務局長)
佐藤竜介(東京海上ホールディングス株式会社、政策提言WG)
長谷友春(有限責任監査法人トーマツ、認証・標準WG)
平田泰一(Robust Intelligence Inc.、行動目標WG)【座長】
ほか、AIGA正会員・賛助会員が自由参加
4. 開催内容
AIガバナンスナビ素案の概要紹介
検討委員会によるディスカッション
参加者を交えたディスカッション